先日、テレビで赤塚不二夫の半生を取り扱っていた。

満州に生まれ、終戦後からマンガ家を志すようになり、石ノ森章太郎や藤子不二雄らと共にトキワ荘に住み込んで執筆するようになる。なかなか方向性が定まらなかったが、雑誌連載に穴が開いたことで代打として抜擢され、そこでギャグマンガを書いたことから道が開ける。その後の活躍は、知られている通りだ。

トキワ荘のことやギャグマンガに至るまでの迷走は知っていたが、ほかにも知らなかったことがいろいろとわかった。雑誌の編集担当が赤塚の原稿を紛失してしまったとき、赤塚は罵ることもせず、「飲みにいこう」と。その後同じ原稿をもう一度書き上げ、「2回目だからうまく書けたよ。」と言ったそうだ。

マンガの内容はハチャメチャで、赤塚自身の生き方もハチャメチャだった。だから、上記のようなエピソードがなおのことカッコよく聞こえる。以前BSマンガ夜話で、ギャグマンガ家ほど精神を病む人が多いといしかわじゅんが言っていたが、この人ほんとうはものすごく頭がよくて賢い人なのではと思わされる。

集英社の新人マンガ家登竜門として、手塚賞と赤塚賞がある。手塚賞はストーリーマンガ、赤塚賞はギャグマンガを、それぞれ取り扱う。ゆでたまごは「キン肉マン」の読み切りで赤塚賞に準入選し、デビューを果たしている。この賞の位置付け、以前からすごいと思っていた。「神様」手塚治虫と赤塚が並び立っていて、それはすなわち、赤塚がギャグマンガの第一人者であり、手塚と言えども入り込めなかった領域だったことの証だと思うのだ。
 
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タイガーマスク DVD-COLLECTION VOL.4

ミラクル3のときはパワーとクリーンファイトで勝ち進んでいたが、タイガー・ザ・グレートはパワーと悪どい反則技を繰り広げる。タイガーマスクは防戦一方で、腹部をえぐられたりロープに目をこすりつけられたりで、おびただしい出血をしてしまう。アニメとはいえ、かなりえぐい描写が続く。

さすがのタイガーマスクも、途中から反則技で応戦。しかし、場外戦で折れたテーブルに顔面を串刺しにされそうになり、逃れるためについにマスクをはずしてしまう。素顔をさらした伊達直人はタイガー・ザ・グレートを上回る反則技を繰り出し、最後は照明に逆さ吊りにして打撃を加えた後、照明が崩れ落ちるときにパイルドライバーで仕留め、更にグレートは照明の下敷きになってしまう。

伊達直人は、大門大吾の墓に虎の穴との戦いに勝ったことを報告。ジャイアント馬場を通じて虎のマスクを高岡に託し、ちびっこハウスの子供たちに想いを馳せながら国外に旅立つ。これで、105話に渡った物語が完結している。

ところで、タイガー・ザ・グレートとの戦いの前、タイガーマスクはその素顔を若月ルリ子に明かしている。原作では、タイガーマスクの正体は伊達直人ではとルリ子はずっと思い続けていたものの、結局伊達直人は誰にも正体を明かすことなく事故死している。ルリ子がずっともやもやした気持ちを抱き続けていたのを、アニメではすっきりとさせていて、これはこれでアリかなと思う。まるで「あしたのジョー」でホセ・メンドーサとの世界戦の直前にジョーと白木葉子が対面したときのようだった。

アニメについては前半と最終回しか観ていなかったので、今回、2年以上に渡って全105話を観ることができて、さっぱりとした気持ちだ。

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タイガーマスク DVD-COLLECTION VOL.3

MXTVで放送されていたタイガーマスクが、4月4日で終了した。最後の6話は、録画しておいたのをまとめて観た。

ワタシは一時期原作マンガを所有していたので、脳内で対比しながら観ていた。原作は虎の穴からの刺客だけでなく、実在するレスラーとも戦いながら総合的なプロレスラーとして成長を遂げ、最後はNWA王座に挑戦するところまで行くが、試合前に子供を助けようとして事故死してしまう。

対してアニメは、虎の穴との戦いが最後まで続き、原作にはないオリジナルのキャラクターが多数登場する。虎の穴で伊達直人の親友だった大門大吾は同じく虎の穴を裏切り、覆面レスラーのミスター不動になる。タイガーマスク・不動組と虎の穴首領ビックタイガー・ブラックタイガー組と戦いで、タイガーマスク組が勝利するも大門は重傷を負い、絶命する。ここが、中盤のハイライトだ。

大門と入れ替わるかのように、高岡拳太郎が台頭する。やはり虎の穴出身者で、当初は母の死はタイガーマスクのせいと吹き込まれ刺客としてタイガーマスクを襲うも、真相を知ってからは虎の穴を裏切り、タイガーマスクの弟分のような存在になる。

一方、虎の穴にはラスボスが控えていた。ミラクル3として日本マットに上がり、次々にレスラーを倒す一方で、タイガーの戦い方を研究する。タイガーマスクに先立って行われた高岡との戦いでタイガー・ザ・グレイトと名乗るようになり、高岡を病院送りにした後、ついにタイガーマスクとの運命の戦いが始まる。

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声優の永井一郎さんが27日に広島のホテルで亡くなられた。死因は虚血性心疾患。記事によると、チェックアウトの時間を過ぎても出てこないため、従業員が見に行くと浴槽で倒れていたとのことだ。82歳だった。

代表作は、なんと言っても「サザエさん」での父波平役だろう。しかし個人的には、ファーストガンダムにおいて、ナレーションやデギン・ザビをはじめ、脇役のおっさんというおっさんをこなしまくっていたことの方が印象的だ。

波平の頑固でいながらコミカルで憎めないキャラクターを知る中でガンダムを観ると、渋くてダンディーなナレーションに聞き惚れてしまう。テレビ版次回予告の「君は生き延びることができるか。」は、アニメ史に残る名言のひとつではないか。

他にぱっと浮かぶ中では、「宇宙戦艦ヤマト」シリーズでの佐渡先生、「未来少年コナン」のダイスといったところも。声は同じとわかっているのに、役柄にぴったりハマっている人は、声優の中でも限られてくると思う。永井さんは、数少ない名優だった。

謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

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あぶさん (1)

ビッグコミックオリジナルに連載中の野球マンガ「あぶさん」が、来年2月を以て完結することが発表になった。連載開始から41年という、野球マンガの最長不倒を更新し続けていたマンガだった。

大酒飲みの主人公景浦安武は、ノンプロを経てドラフト外で南海ホークスに入団。しばらくは代打の切り札として勝負強さを発揮していたが、やがて外野やサードの守備もこなすようになり、ある時期はピッチャーまでやっていた。現実なら引退しているであろう40代半ばになって3年連続で三冠王を達成し、なんと62歳まで現役だった。引退後はいったん球団を離れるが、今年は一軍助監督を務めていた。

スタート時は、型破りなキャラ設定にしつつも中堅選手の域に留まっていた。それが年を経るにつれてスーパーマン化し、いつしか球界を代表し頂点に君臨する選手になった。現実のプロ野球ともリンクさせ同時進行しており、劇中には実在の選手や監督も数多く登場した。特に若い選手にとっては、「あぶさん」に描かれることが、プロの選手として一人前のステータスを得たような空気になっていた。

今回のニュースを聞き、思ったのは引き際の難しさだ。62歳まで現役選手というのは、夢はあるかもしれないが、どう考えても無理なことだ。作者の水島新司も、南海からダイエーになったときなど、何度か終わらせることを考えたに違いない。もしかすると、延命は作者の意図ではなく、ドラゴンボールのように出版社側の意向によるかもしれない。ただ、現実離れしていく代わりに、優勝、日本一、息子景虎との対戦や親子共演なども実現している。

ワタシは、80年代半ばのあぶさんがピッチャーをこなし始めた辺りから読み始め、以降断続的に読みこなしていたが、正直、現役引退後少ししてからは離れていた。その一方、スーパーマン化していない、もともとのあぶさんはどうだったのだろうかとも思い、1巻から少しずつ読むこともしていた。有望視された同期が志半ばで引退していたり、そこそこ恋愛模様もあったり、後に結婚する大虎のサチ子とも当初は微妙な距離感があったりと、結構面白い。

単行本のフォローは、今後も地道に続けたい。そして、連載の最終回も楽しみにしている。

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ルパン三世展

川崎市民ミュージアムで今日まで開催されていた、「ルパン三世展」を観に行ってきた。

モンキーパンチによるマンガの原作、アニメパート1、パート2、パート3、ルパン対複製人間(マモー)、カリオストロの城、バビロンの黄金伝説、毎年放送しているテレビスペシャル、峰不二子という女、など、メディア展開されたほぼ全ての作品をフォローしていて、その徹底ぶりが嬉しい。

原作については原画を展示し、アニメはセル画や設定資料、絵コンテなどを展示。その後の声優陣とは異なる配役での、宣伝用パイロットフィルムの上映もされていた。モンキーパンチによる、書き下ろしのイラストや水墨画もあり、海外版の単行本や連載時の雑誌などもあった。最もスペースが割かれていたのが、「峰不二子という女」。時系列で見ると、最も新しい作品だからかな。個人的には、ほぼリアルタイムで観たマモーとカリオストロの資料が、もっと豊富だったらなおよかった。

川崎市民ミュージアムに来たのは、映画「ジョン・レノン、ニューヨーク」を観に来て以来。ルパン展は有料だったが、1980年代のサブカルチャーを整理した展示も併設されており、こちらは無料で見ることができた。川崎市、文化事業の浸透に関して積極的だ。横浜市では、こういうのやっていないのだろうか(今度調べてみる)。

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海外では高評価を得ているものの、国内では興行的に苦戦。評価もまっぷたつだそうだ。しかし、アニメを観ていて、原作を読み、戦場まんがシリーズも読んでいる身として言わせてもらえれば、今作の出来には満足している。

まず危惧したのは、主要キャストを俳優陣で固めていることだった。宮崎駿は声優の過剰なアフレコが嫌いで芸能人を起用していると聞いたが、ワタシはその逆で芸能人のアフレコが嫌いだ。役の声を聞いてその人の顔が浮かんでしまえば、それはもうアウトだと思う。ジブリアニメにも、そういうケースはたくさんある。

がしかし、今回、そうしたストレスを感じることはなかった。ヤマの三浦春馬、ミーメの蒼井優には、ズレを感じることはなかった。小栗旬のハーロックは、役作りに苦労したのが伺えるが、ぎりぎり持ちこたえたと思う。そして、一番のはまり役は副長ヤッタランの古田新太だった。全く違和感がなく、この人を見直した。

フルCGによる映像の美しさは、群を抜いている。2001年公開の「ファイナル・ファンタジー」も素晴らしかったが、それに並ぶかあるいは凌いでいると思う。人物以外の背景やメカだけのシーンを見ると、実写ばりのリアリティーを表現できている。日本映画は実写では歯が立たないが、アニメでならハリウッドと渡りあえる。そう確信させてくれる。

難は、ストーリーと設定だろう。ハーロックが100年生きているとか、人類が侵略の限りを尽くした結果の贖罪として地球を破壊させるとか、それを実行するためのエネルギー?のダークマターについては、もっとフォローが必要だったと思う。ミーメがなぜ特殊な能力を持っているのかという補足も、どこかでしておくべきだった(してたかなあ)。

100年前の戦争で主力となった戦艦がデスシャドウだったり、ハーロックが使うサーベルの先端が銃になっていたり、大山トチローもちょっと出てきたりと、当然だが原作やアニメのテイストが継承されているのは嬉しいところ。一方で思うのは、ハーロックのような、かつてのアニメやヒーローものでは必ずいたニヒルな2枚目は、今の時代には合わなくなってきているのかも。

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東京タワーの藤子・F・不二雄展、4階屋上の55体のドラえもんについては、結構写真を撮った。手にしているひみつ道具が、全て異なっている。

ドラえもん/タケコプタードラえもん/タイムふろしき
左:タケコプター
右:タイムふろしき

ドラえもん/ウソ800ドラえもん/コンピューターペンシル
左:ウソ800
右:コンピューターペンシル

ドラえもん/ほんやくコンニャクドラえもん/とりよせバッグ
左:ほんやくコンニャク
右:とりよせバッグ

個人的に最強の道具と思うのが、とりよせバッグ。これでひみつ道具を全て取り寄せてしまえばいいからだ。

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藤子・F・不二雄展

先日、六本木のハリーポッター展に行く前、午前中に東京タワーで開催されている藤子・F・不二雄展を観に行っていた。今年はこの人の生誕80年だそうだ。

まずはエレベーターで屋上(4階の上)まで行き、デパート屋上にあるような子供向けの乗り物の脇を通って入り口へ。ここには55体のドラえもんがいて、写真撮影可。ドラえもんは必ず何かしらのひみつ道具を手にしていて、そのバリエーションが55種類あるということだ。

藤子・F・不二雄展

階段を降りて4階が原画展のブースだが、この階段にも藤子マンガの、それもドラえもん・オバQ、パーマンなどの東京タワーが必ず含まれているコマが展示されていた。芸が細かい。

原画展は、まず数分の映像から。藤子の仕事部屋風のセットにプロジェクション・マッピングで映像をかぶせ、飛び散った原稿をのび太とドラえもんでタイムマシーンを使ってかき集め、取り戻したところで他のキャラも勢揃いするというイントロダクションだ。

原画は、藤子のデビュー作から始まり、初期作、オバQ、パーマン、ドラえもん、SF短編、などとなっていた。高校時代に藤子不二雄Aと共に作った同人誌「少太陽」は、マンガ作品のみならず広告や読者投稿までを自分たちで、もちろん手書きで作るという、かなりの入れ込みようだった。

客層はほとんどが家族連れで、小さな子供用の撮影ブースも充実。1番人気は、のび太の部屋でのタイムマシンになっている机の引き出しから身体を出して撮影できるというものだった。その横には、藤子の仕事用デスクが再現されていた。

藤子・F・不二雄展

最後のブース(扉がどこでもドア)は、藤子のメッセージと、藤子を敬愛している各芸能人のサイン色紙の展示。そしてグッズコーナーとなっている。

よくよく考えれば、川崎にある藤子・F・不二雄ミュージアムの出張版だったのかもしれない。ただ、55体のドラえもんは、さすがに川崎にはないのではと思う。この展示が終わった後に飾られるかもしれないけどね。というか、いつか川崎のミュージアムにも行かなくては。

生誕80周年記念「藤子・F・不二雄展」


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7月にBSで手塚治虫と石ノ森章太郎の特番を一週間に渡り放送していたが、それにリンクする作品展「マンガのちから」を、東京都現代美術館まで観に行ってきた。

この美術館に来るのは去年秋の「館長庵野秀明 特撮博物館」以来で、そのときは入場に長蛇の列ができていて入るのに1時間以上かかる大混雑ぶりだった。今回、少しでも混雑を避けるべく、開館時間直後を狙って現地入り。混雑はなく、展示も自分のペースでゆったり観ることができた。

展示物は作品の原画を主体とするが、中にはアイディアを書き留めたノートやメモなどもあった。手塚作品と石ノ森作品を常に対になるように配置し、愛や死、女性などのテーマ別の対比もあった。

こういう展示はえてして撮影禁止なものだが、今回は一ヶ所だけ写真撮影を許されたところがあった。トキワ荘の再現した外観がそれだ。裏側には、石ノ森や手塚の部屋を再現していて、石ノ森の部屋は煩雑、手塚の部屋は整頓されているという具合で、ここでも対照的だった。

トキワ荘

終盤には、虫プロと大阪芸術大の協力により製作された、「魔神ガロン」のオリジナル映像23分を観ることができた。スタッフに吉川惣司や高橋良輔らの名前があり、短編ではあるがなかなかの力作だった。

最後のブースは、2人の同世代もしくは2人をリスペクトするマンガ家たちのコーナーだった。永井豪は石ノ森のアシスタントだったこと、松本零士は石ノ森と全く同じ日に生まれたことを、今回はじめて知った。「よろしくメカドック」の次原隆二によるマンガ解説作品もあって、少しびっくり。

最後はお約束のグッズコーナー。この手の展示には結構足を運んでいるワタシだが、グッズを買うことはほとんどなかった。しかし今回は、チケットを入れられるちょうどいいサイズのクリアケースやLEDのルーペなど、結構実用的なものがあったので、いくつかを購入。図録も購入した。

手塚治虫の展示は何度か観に行ったことがあるが、石ノ森章太郎の展示を観るのは、ワタシにとっては恐らく今回がはじめてだ。アニメや特撮で先に馴染んでいる作品のマンガの原画が観られたのは嬉しかったのと、マンガそのものを読みたくなる衝動が沸き起こっている(笑)。

「マンガのちから」は、明日8日まで開催されています。

マンガのちから | 東京都現代美術館

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