ワタシはCoccoと頭脳警察がエントリーされたことで29日1日だけ参加することを決めた。それが、開催約3週間前にしてCocco体調不良によりキャンセルの報が。もちろん彼女の体調は心配だが、フェスでの大本命を失い、時間を余らせまくる過ごし方になることも予想された。

がしかし、コレを機会にと、これまで観たことのないアーティストにも手を伸ばし、結果的に10組のアクトを観て、空き時間はほとんどなく過ごすことができた。こういうフェスとの接し方もアリなのかな、と。

10組中のベストアクトは、岡林信康。キャリアを積んだアーティストであればあるほど、ロックフェスとは噛み合わなくなることがあるのだが、この人は見事にシンクロした。頭脳警察もそうだったが、自らの実績の中に留まることなく、次の世代に向けてメッセージを発したいという姿勢が見えたのだ。

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サウンドチェックが長引いて、開演が10分押しに。まずは和田唱がひとりだけ出てきてドブロ弾き語りでスタート。やがて、ベース林とドラム吉田も合流し、フルバンド演奏となる。

和田はほとんどの曲にギターソロを入れ、そのたびにステージ中央ににじり寄ってくる。客とのコミュニケーションを頻繁にしたいのか、ほぼ1曲毎にMC。しゃべり長い。MCを省けば少なく見てあと2曲はできたはずだ。

ともあれ、トライセラがロック・イン・ジャパンやカウントダウン・ジャパンでトリをするのは「悲しいことに」初めてと言っていて、他のステージもあるのにココに来てくれた人に愛を届けます、と言って丹念に演奏してくれた。結成以来、不動の3人によるトライセラ。確かに、もっとブレイクしていいはずのバンドだ。
電気ならギャラクシーじゃなくてアースステージだろうと思うのだが、案の定フロアはすし詰め状態に。ただその代わり、卓球のプログラミングが次に何をどうしたというのが、把握しやすかった。

瀧の今回の着ぐるみは富士山ではなく、なんと初音ミクのコスプレ!あはは。レーザー光線飛び交うド派手なステージ、それでいて笑いの要素もある肉体性テクノユニットとして、やはり電気は唯一無二の存在だ。
実は2004年のソニックマニアで観たことがある。そのときは、洋楽主体のフェスゆえ完全アウェー状態で、当人たちもそんな空気を察して食わず嫌いはなしでまず聴いてみようよ的なことを言っていた。バンド自体はその後武道館公演もこなし、それ相当のステータスは築いている。

舌っ足らずの女性ヴォーカルはやはりかつてのジュディ&マリーを思い出させる。ただ、バンド演奏はより重厚さを増し、音だけならハードロックバンドとしての片鱗も感じられる。なお、今回は新ベーシストお披露目でもあり、ギタリストの弟だそうだ。
バンダナを巻いたマーシー、坊主頭のヒロト、と、こちらもお馴染み。ヒロトはステージ上をちょこちょここまめに動きながら歌い、爆音の演奏と相俟ってグルーヴを醸し出す。年を重ねても軸がぶれずシンプルでストレートなロックンロールを続ける姿は、まるでラモーンズのようだ。
オープニングはまさかのスローナンバー『KIMOCHI』で、約10分を費やして丹念に歌い演奏する。その後も『Crazy Days』『本能寺』など、お馴染みのナンバーを畳み掛けてくる。作り中の新曲と言って、猫に因んだ軽めの曲もやっていた。

やっている曲の大半は何度も観て聴いているのに、それでもリズムが変わったときや通常演奏→インプロ→通常演奏というくだりには唸らされる。演奏の度に曲が進化していっているように思える。しかし、相変わらずライヴを外さない信頼できるバンドだ。
椿屋四重奏を解散させ、ソロとして再出発した中田。スーツ姿でセミアコを弾きながら歌い、見た目も音も都会派の路線。しかし歌いながら客を煽るさまになんとも違和感があって、観ていて少し辛かった。フェスより、食事しながら観るライヴハウスが合っているように思う。
岡林信康終了後は人がほとんど掃けてしまってガラガラになり、一時はどうなることかと思ったが、始まる頃にはそれなりに人が入った。パンタもトシもサングラスをかけ、パンタは黒のターバンを巻いていた。バンドは、ギター、ベース、ドラム、キーボード。ベースの人は若そうだった。

曲は『俺たちに明日はない』等、比較的近年からが多かった。トシのパーカッションは相変わらず魔法のような音色で、パンタも意欲的にギターを弾いていた。MCでは1969年結成日本最古参バンドと言いつつ、若いファンを前に演奏できることを楽しんでいるようだった。ラストは『時代はサーカスの象にのって』だった。
超がつく大御所だが、それだけに年季が入りすぎた世界観が繰り広げられ、このフェスに噛み合わない、浮いたライヴになってしまうのではという危惧をしていた。しかし、この人はロックだ。曲は少しも古臭くなっていないし、むしろ重みと説得力の強さがハンパじゃない。震災に対する芸能人のコメントを全部ウソとさらりと言えるのは、この人くらいではないか。

前半は通常のバンド編成、そして後半はエンヤトットバンドなる編成となり、和太鼓や三味線や尺八の人が加算。音は分厚くなり、スケール感のレベルが一段上がった。すごい。
ギター、ベース、ドラムが女性。そしてヴォーカルが男性・・・なのだが、ニューハーフかドラァグクイーンかという感じ。髪の色はカラフル、衣装は銀ラメが入り、見た目はかなりド派手だ。

パフォーマンスは、昭和歌謡のテイストを前面に出してはいるが、演奏そのものは正統派ギターロックのような安定感がある。9年前に観た、インビシブルマンズデスベッド(今どうしてる?)を思い出した。