未来の地球は汚染され、人間が生活できるのは、富裕層が住むラクーンと労働者が住むコロニーのみになっていた。コロニーに住み工場で働くクエイドは、諜報員として戦う夢を繰り返しみてうなされる。

クエイドは、夢の謎を解くヒントになるかもと思い、脳に直接記憶を書き込むリアルな体験を提供するリコール社に行くが、いざその瞬間になって機器が異常を来し、そこへ警察が踏み込んでくる。一般人のはずのクエイドはたったひとりで数10人の警察を撃退するが、自分の能力に怯えながら帰宅すると、妻ローリーがなぜかクエイドを殺そうと襲いかかってきた。

原作はフィリップ・K・ディックの短編小説『追憶売ります』だが、この作品は1990年にアーノルド・シュワルツネッガーやシャロン・ストーンらが出演し、ポール・バーホーベンが監督した映画のリメイクだ。

今回は、クエイドをコリン・ファレル、ローリーをケイト・ベッキンセイル、クエイドの夢に現れると共に、クエイドの正体を知る謎の女メリーナをジェシカ・ビールが演じている。監督はレン・ワイズマンで、「ダイハード4.0」や「アンダーワールド」シリーズを手掛けた人。ケイトはこのシリーズの主人公であり、かつワイズマンとは夫婦だ。

正直言って、前半は結構キツかった。コロニー地区の町並みが無国籍風で日本語の看板や東洋風の建築物などが入り交じり、つまり「ブレードランナー」を意識しすぎていて、それをCGで作り込んでいるのがミエミエすぎて違和感があったのだ。

その一方でよかった点は、携帯電話を手の中に埋め込んだり、ガラスにかざすとテレビ電話風になったり。ホバーカーによる空中ハイウェイでのカーチェイスや、まるでパズルのように立体的に動く通路をかけめぐりながらの追うローリーとその部下、追われるクエイドとメリーナとの攻防は、視覚に訴える。これらは、22年前では到底表現できなかったことだ。

22年前の作品を思いだしつつ、違いを見つける楽しみもある。たとえば中盤で、ここまで起こっていることはリコール社の体験の中だとクエイドに忠告する場面がある。90年作では忠告者はリコール社の社員を名乗り、クエイドは男の額から流れ落ちる汗を見て、それが嘘だと見破る。今回の忠告者はクエイドの同僚だが、それが嘘とクエイドが気づくのは、メリーナの涙でだった。

個人的には、「アンダーワールド」シリーズを全て観ていることもあり、ケイト・ベッキンセイル寄りで観た。シャロン・ストーンのように過剰であからさまな色気はないが、その分諜報員としての凄みや怖さが抜きん出ている。この人はもっとメジャーブレイクしていいはずで、この作品がその契機になればと思っている。それは、夫で監督のレン・ワイズマンも同じ想いかも。

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