Kraftwerk@赤坂Blitz Radioactivity

開演予定の数分前になり、彼らのライヴではいつも流れるSEがかかり始め、やがて場内が暗転。ステージにかかっている幕に機器の音波のような波線の映像が流れる。これ、『GEIGER COUNTER』だ。

やがて『RADIOACTIVITY』のイントロへとつながれ、幕が開いてステージが明らかになる。いつもの通り、4人が横一線に並んで卓を操作している。そしていつもの通りではないのは、バックドロップの映像だ。

去年のNO NUKESでもそうだったが、「FUKUSHIMA」のワードが組み込まれていた。そしてラルフ・ヒュッターは、この曲を日本語で歌い、そして英語バージョンへとシフトさせた。ワタシがこの日をセレクトしたのは、恐らくこの曲は序盤に演奏されるだろうし、そして311以降の日本の原発のあり方に対してここまで刺さる曲はないと思っていたからだ。

今回はアルバム『RADIOACTIVITY』の全曲演奏日で、もちろん全曲に映像がリンクしている。何度かクラフトワークのライヴを観てはいるが、今回はじめて体感できる曲もあり、そしてその映像の素晴らしさにも感嘆させられる。入場時に配布された3Dメガネをかけて臨む今回のライヴだが、3D映像のクオリティの高さは想像以上だった。バックドロップの全面を使った巨大スクリーンに、映像が幾重にも重なり浮き上がっているように見えた。ぶっちゃけ、かなりチャチなのではと勘繰っていたが、彼らは相当のものを出してきたのだ。

アルバム『RADIOACTIVITY』は決してノリのいい曲ばかりではないのだが、その代わり未知の領域に連れて行かれるような感覚になる。忌野清志郎が反原発を歌ったのは1988年。クラフトワークがこのアルバムをリリースしたのは、1976年だ。先駆者すぎる。

こうして全曲演奏はあっという間に(という感覚だった)終わってしまい、キャリア総括モードへと移行する。まずは『AUTOBAHN』だが、ここでも映像が見事だった。ほのぼのした曲調なのに弛ませることがなく、またしても別世界に誘ってくれる。

以前の映像も適度に組み込みつつ、新たに制作したとわかる映像をむしろ前面に出している。そもそも、今やオリジナルメンバーはラルフだけだし。『THE ROBOTS』のロボットも、しっかり今の人たちの顔になっていた。曲を聴いていくうち、これがほぼ時系列順なのだと気づいた。『NUMBERS』から『COMPUTER WORLD』への流れは何度聴いてもはっとさせられるし、『POKET CULCLATOR』は今回はフル日本語バージョンの『DENTAKU』になっていた。

締めはもちろん、『BOING BOOM TSCHAK』から『MUSIQUE NON STOP』だ。ラストはひとりずつソロを披露してからステージを去るという、これもお馴染みの幕引き。フローリアン・シュナイダーがいた頃のクラフトワークは全員がほぼ無表情だった記憶があるのだが、今回は4人が4人とも表情を崩すところが見えて、少しだが人間味が出ていると感じた。

今後の公演は完売と聞いていたが、終演後いくつかの公演については販売しており、勢いで買ってしまった。当初の予定はこの日と『THE MAN MACHINE』の日だけにしていたのだが、というわけで明日も行くことに。

1. GEIGER COUNTER
2. RADIOACTIVITY
3. RADIOLAND
4. AIRWAVES
5. SENDEPAUSE
6. NACHRICHTEN
7. DIE STIMME DER ENERGIE
8. ANTENNA
9. RADIO STERNE
10. URAN
11. TRANSISTOR
12. OHM SWEET OHM
13. AUTOBAHN
14. TRANS-EUROPE EXPRESS
15. THE ROBOTS
16. SPACELAB
17. THE MODEL
18. THE MAN MACHINE
19. NUMBERS
20. COMPUTER WORLD
21. HOME COMPUTER
22. DENTAKU
23. COMPUTER LOVE
24. TOUR DE FRANCE 1983 + INTRO
25. TOUR DE FRANCE 2003
26. PLANET OF VISIONS
27. BOING BOOM TSCHAK
28. MUSIQUE NON STOP

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