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ブラー(Blur)@日本武道館 2014年1月14日

前日のZepp Divercity公演の興奮も醒めあらぬ中、この日は彼らの本来のキャパシティーといっていい武道館での公演だ。ワタシの席は2階西の上から数えた方が早い列で、ステージを真横に見る形に。結構新鮮だ。

前日と同様、定刻を5分ほど過ぎたところで客電が落ち、メンバーがゆっくりと登場。場内のどよめきはやはりハンパではなく、騒ぎが収まる前に『Girls And Boys』が始まった。と、デーモン、Zepp Divercityに続き、まさかの放水。武道館はステージと客席との間に結構スペースあるし、椅子席の客は軽装ではない人が大半のはず。なのに、巻いていた。

ステージセットは、武道館にもかかわらずシンプルだ。強いて言えばライティングが強化され、バックドロップに大きな高速道路の高架下らしき写真が飾られているくらい。メンバーのいでたちも、衣装というよりカジュアルな普段着だ。

ワタシは、2日ともステージ向かって左側、つまり「グレアム側」だった。だからというわけではないが、2日ともグレアムを中心に観ていた。グレアムはほぼ1〜2曲毎にギターを替えていて、プラグの抜き差しとエフェクターのチューニングも手早く行っていた。グレアムのマイクスタンドの手前には、4列くらいのエフェクターが配置されていた。

使いこなしたギターは、何本あっただろう。ブラッキー、ギブソンSG、マーティン、ジャズマスター、ストラトキャスターなど。時折頭上に掲げて頭で弾いてもいたが、ほとんどの場合ド派手なアクションも華麗な指使いもなく、さりげなく弾いていた。それでいて、音はノイジーなことが多く、これがブラーのポップな世界観をいい意味で崩している。決して統制のとれた演奏ではなく、引っ掻き回している急先鋒にいるのがグレアムだ。

バンドのパブリックイメージの中心にいるのは間違いなくデーモンだが、しかし、このグレアムの存在こそが、音楽的には重要なのだと思った。演奏は、大半がグレアムのギターリフによって始まった。現在、多くのバンドがドラマーのスティックによるカウントで始まるのを飽きるくらい見ている中、グレアムがほぼ毎回口火を切るのは、見ていて痛快ですらあった。そして、やはり、ブラーにはこの人が必要なのだ。

セットリストはさすがにZeppと同じではなく、それどころか3曲も足してきた。『Young And Lovery』『No Distance Left To Run』『Death Of A Party』と、結構レア度が高い。そして、『13』色がまた少し強まった。昨年からのブラーのツアーは、「問題作」とされている『13』をライヴの場で再構築できるかに挑んでいるようにも見える。

『Counrty House』では、デーモンはステージを降りて最前列の前の柵を歩きながらタッチしてまわり、場内はちょっとした騒ぎになる。セキュリティーにステージに戻されたときにはひっくり返っていて、そしてそのまま歌っていた(笑)。

『Parklife』では、映画「さらば青春の光」の主人公役だったフィル・ダニエルズが登場。公開から30年以上経っているので、悩める若者もさすがに年を食っているが、おどけた素振りでステージ上を動き回りながらシャウトするその姿は、どこか愛らしい。ブラーのメンバーも、そんなフィルに微笑みながら演奏している。ちなみにフィルは、この後ステージの袖に留まってライヴを観ていた。

本編を『End Of A Century』『This Is A Low』で締めくくり、アンコールは日本にちなんだ曲、『Yuko And Hiro』を。新曲『Under The Westway』は、ポップというよりスケール感を表現したタイプの曲だ。ワタシにとってベストブラーソング『For Tommorrow』(今回はデーモンとちらなかった/笑)、『The Universal』を経て、いよいよオーラスへ。

『Song 2』のイントロが延々引っ張られる中、デーモンがグレアムのところに歩み寄り、ハグ。この10年の間にブラーに起こったことを思えば、なんて感動的な場面なのだろう。デーモンはこの後アレックスやデイヴともハグし、そしていよいよ歌がスタート!「ウーフー」の大合唱も繰り返され、そして、すべてが、終わった。

セットリスト

Girls And Boys
There's No Other Way
Beetlebum
Young And Lovely
Out of Time
Trimm Trabb
Caramel
Coffee & TV
No Distance Left to Run
Tender
To the End
Country House
Parklife(with Phil Daniels)
End of a Century
Death of a Party
This Is a Low
Encore:
Yuko And Hiro
Under the Westway
For Tomorrow
The Universal
Song 2

さて、ブラーの今後はいったいどうなるのか。当初予定されていたオーストラリアのフェス、ビッグ・デイ・アウトはキャンセルとなり、公式サイトにもこれといった予定は掲載されていない。グレアム復帰以降、新曲の制作はあったが、アルバムのリリースまでには至っていない。がしかし、ぜひとも『13』以来となる4人ブラーでの新作を世に出してほしいものだ。


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