ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)@EX Theater

2日前にスウェードのライヴで来たばかりのEX Theaterだが、スウェードは急遽決まったのに対し、ヨ・ラ・テンゴは半年前にチケットが発売されていた。なので、半年間気持ちを温めてライヴに臨んだ格好だ。

定刻より8分ほど過ぎたところで客電が落ち、向かって左の袖から3人がゆっくりと登場。早速『Pass The Hatchet, I Think I'm Goodkind』で始まるが、助走も肩慣らしもなく、いきなりアイラ・カプランのギターが爆音モードで、これだけで場内は活気づいた。

機材はステージ前方中央に集中するように設置され、アイラが向かって右、ベースのジェイムスが向かって左、2人の間にドラムのジョージアという配置に。後方には、照明がいくつか設置されていた。装飾など全くしないバンドと思っていたが、ショウを映えさせるための最低限のセットは組んでいる。

ジェイムスはほぼ直立不動でベースを弾き、巨漢の体躯には安定感すら漂っている。そして、小柄で一見非力そうなジョージアだが、叩き出されるビートは思いのほかパワフルで、そして躍動感に満ちていた。

しかし、バンドの中心軸に位置しているのはやはりアイラだ。ストラトキャスターを中心に使い、ほぼ1曲毎にギターを交換。エフェクターも何度となく駆使し、ループ処理も行い、プレイではノイジーでメタリックなリフを炸裂させていた。曲によってはギターを手放して、キーボードを弾くこともあった。

中盤ではジョージアが前に出てきてヴォーカルを取り、つまりドラムレスに。『Cornelia And Jane』『I'll Be Around』などのソフトな曲がいくつか演奏され、先ほどまでノイズで蹴散らしていたのと同じバンドとは思いにくい、優しい空気に場内は包まれた。この両極端な音楽性が違和感なく同居していることこそ、ヨラテンの大きな魅力だ。

そして、終盤は再びノイズモードとなった。新譜『Fade』の冒頭を飾る『Ohm』はライヴの場で大化けし、更にノイジーでヘヴィーに仕上がっている。後半、アイラはフロア最前のオーディエンスに自分のギターを預け、少しの間弾かせていた。そして、本編ラストは『I Heard You Looking』。延々と繰り広げられるインプロヴィゼーションの嵐は、20分くらいに渡っていたのではないだろうか。

アンコールはフロア最前の客に求めたリクエスト曲で始まり、ラスト2曲はジョージアがヴォーカルを取った。こうしてあっという間に2時間が過ぎ去り、全てが終わった。

セットリスト
Pass Me The Hatchet I Think I'm The Goodkind
Paddle Forward
Super Kiwi
The Point of It
Little Eyes
Stockholm Syndrome
Moby Octopad
If It's True
Cornelia and Jane
Did I Tell You
I'll Be Around
Before We Run
Cherry Chapstick
Drug Test
Ohm
I Heard You Looking

Encore:
Season of the Shark
Prisoners of Rock 'n' Roll (Neil Young cover)
Hanky Panky Nohow (John Cale cover)
What Can I Say

来日は去年のフジロック以来で、グリーンステージでいいライヴを見せてくれた。ただ、1時間と枠が決まっていたため、少し物足りなさが残り、単独再来日公演が待ち遠しかった。中堅どころと思っていたが、実は今年結成30年を迎える、言わば超ベテランの域に達している不動の3ピースだ。幾多のバンドが解散や活動停止などの壁にぶち当たっているが、このバンドに関してはそんな気配などまるでなく、これからも実験精神を以て音を鳴らしてくれるに違いない。

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