ユリイカ 2014年1月号 特集=ルー・リード

去年10月27日、日曜の朝に亡くなったルー・リード。文芸雑誌ユリイカが追悼特集号を組んでいて、発売からもう半年近くが経っているが、やっと読んだ。

寄稿者は、ミュージシャンでは大江慎也、町田康、七尾旅人などの名が見られ、他には作家や文芸評論家、ルー・リードやジョン・ケイルと親交があり、ルーの死語に夫人のローリー・アンダーソンの前で踊ったダンサーなどによる文章が掲載されていた。

作品は、『Berlin』に対する評価がすこぶる高い。アルバムを貫くトータル性があり、当時冷戦中だった都市を舞台にした、悲しく儚い物語を見事にまとめあげた作品は、ワタシにとってもルーのベストフェイヴァリットアルバムでもある。

この時点でルーはベルリンに行ったことがなかったとか、プロデューサーのボブ・エズリンはルーより7歳年下だったとか、『The Kids』での子供の悲痛な泣き声は、ルーが自分の子供にママは帰らないとうそをついて泣かせたものを録音したとか、いろいろエピソードが披露されていて面白い。

問題作『Metal Machine Music』の録音状況の解説、バイノーラル録音にトライしたルーの心理の考察など、ソロ活動について結構触れられているのがありがたい。

その一方、原点であるヴェルヴェット・アンダーグラウンドについてももちろん書かれている。アンディ・ウォーホールはバンドに資金と場所を提供しニコをシンガーとして加えること「だけ」を条件にし、音楽的にはほぼ口出ししなかったというのが定説だが、ルーもケイルも、ウォーホールに共鳴するところはあったはずという推測もされている。

追悼特集は、ユリイカだけでなく他のいくつかの雑誌でもされているが、日本でルーの死がここまで騒がれるとは正直思わなかった。今頃という思いと、これらによってルーに関する情報がよりオープンになったという喜びの、2つの思いがある。

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