Listen To The Daxophone #2@アートフォーラムあざみ野

マイクを内蔵した木製のサウンドボックスにタングと呼ばれる木片を組み合わせて弓などで弾く楽器、ダクソフォン。奏者の内橋和久による演奏に細野晴臣とUAがゲスト参加するライヴがあると知り、行ってきた。

アートフォーラム内の、レクチャールームという全席指定で150〜160人程度の狭いホールが、会場だ。定刻を7〜8分ほど過ぎたところで、まずは内橋が登場し、ダクソフォンを弾き始める。ダクソフォンは三脚で固定され、木の固まりのようなものを左手に持って押さえつつ、タングのところを右手で弓で弾いていた。

環境音楽のようでもあり、BGMとして機能しやすい音、かなり実験的な音が発せられる。サウンドボックスにはプラグが差し込まれ、内橋は右足で適時ペダルを踏み込み、エレキギターと似通った構造になっていることが伺える。日本でダクソフォン奏者は5人程度で、もっとこの楽器のことを知ってもらいたいという想いを、冒頭で内橋が言っていた。

ゲストのひとりであるUAが、まず登場。内橋のダクソフォンに合わせて、彼女の母の故郷の島の唄を歌う。続いて彼女自身の曲がいくつか歌われ、内橋はダクソフォンからギブソンSGに持ち替えていた。この人、ダクソフォン一辺倒ということでもなく、もともとがギタリストのようだ。

UAは『閃光』で締め括ると、入れ替わりで細野晴臣登場。曲順をその場で決めているらしく、1曲毎に細野が伝え、内橋がそれに応じるという形で進められた。細野は使い込まれたセミアコを抱え、ビートルズ『Dear Prudence』クラフトワーク『Radioactivity』など、カヴァー曲を5曲ほど披露。内橋は1曲目だけダクソフォンで、後はSGだった。

そしてUAが再び登場し、3人によるセッションに。ステージは中央にUA、向かって右に内橋、左に細野が陣取り、そして3人でダクソフォンを演奏だ。細野は短いバーによるビート連打ここなすものの、弓で弾いてみるとすーっという抜けた音しか出ず、ここでセミアコに持ち替える(笑)。内橋は一ヶ月前に預けていると言っていたが、細野は初心者だからと返していた。

一方のUAは、沖縄(自宅?)で結構練習してきたと見え、かなり使いこなしていた。主メロディーはUAが担い、内橋はサポートに回り、細野は所在なさげにセミアコをぽろろんと弾いていた。UAが楽器を弾く姿はとても新鮮で、というか、もしかしたら今後の彼女のツアーにダクソフォンを組み込むかもと思わせてくれる。

こうして、異色ライヴは1時間半をオーバーし、終了。アンコールを求める拍手を受けて3人は再登場するも、曲は用意していないとのことで、UAがお米の唄(即興?それとも、ある曲かな?)を歌ってくれた。

演奏が必ずしもダクソフォン一辺倒ではないことに、序盤こそ少し面食らった。しかし、実験性に溢れるユニークな楽器に触れる機会があったのはよかったと思っているし、今回のライヴは通常のライヴハウスでもホールでもアリーナでもない、アートを支持し応援する横浜市内の施設で行われたという新鮮さがあった。これまで何度か観ているUAや細野を、狭い会場で間近で観られたのは、願ってもないことだったのだ。

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